2000年6月9日 日刊工業新聞 
 

【全国元気企業マップ】
ユーザーの海外展開に対抗するため、コスト競争力を高めるためなど理由はさまざまだが、三重県の中小企業の海外進出が活発化している。いち早く進出し、成功しているケースは、いずれも進出先がフィリピンというのも特徴的だ。他企業がフィリピンへの進出をためらっている時期に進出し優秀な人材を確保しやすかったことに加え、英語が通じるビジネス環境が成功のカギとなったようだ。各社ともフィリピンでの生産が軌道に乗り、能力増強、生産シフトに力が入っている。伊藤製作所は、97年にフィリピンに合弁会社、イトーフォーカスを設立した。順送り金型製作、プレス部品加工を行なっており、「フィリピンには同レベルのライバル企業は少なく、得意先はそれまで日本や台湾などに手配していた」(伊藤社長)という受注の容易さを背景に滑り出しは順調だ。