三重県四日市市に本拠を置く金型メーカーの伊藤製作所が、現地生産会社イトーフォーカスを完全子会社化。昨年末より伊藤製作所フィリピンとして再出発していたことが分かった。
同社の伊藤澄夫社長はNNAの取材に対し、完全子会社化の背景には、現地法人副社長の逝去に伴い、友人でもある中国系フィリピン人の共同出資者から株売却の意向があったと述べた。
新会社には新たに日本から社員4人が赴任。これまで同様、ラグナ州カーメルレイ工業団地内で主としてカーオーディオなど自動車関連部品の生産を続けている。同社長によれば当面、増産の計画はないという。
伊藤社長はまた、同社がフィリピンで操業を続けることについて、多くの企業が中国への生産シフトを加速させる中、「優秀な従業員の確保が容易になった」と指摘。不景気下にあってもフィリピンから撤退あるいは中国などへ生産移管するつもりはないとした。