伊藤製作所の技術開発におけるポリシー

  • 開発者、設計者、メーカーの課題
  • 伊藤製作所の課題解決力(つよみ)
    1. 研究開発力
    2. 技術力
    3. 設備力
    4. 品質力
    5. 人財力
  • CHALLENGE精神
  • トライ&エラー
  • 技術開発・技術力の向上
  • 新しい価値を生み出す製品へ

R&D CASES

  • せん断技術
  • 曲げ技術
  • 絞り技術
  • 板鍛造
  • システム開発事例

せん断技術

1992年

今日ほど優れた型材や潤滑油、コーティングが存在しなかった30年前から精密せん断技術で歯先のダレを極力抑えたディテントの量産に成功。​

設備 200トンクランクプレス
品名 ディテントプレート
材質 SPHC
板厚 3.2mm

2000年

折りたたみ式携帯電話のヒンジ部品。板厚2mmに対し、せん断面長さ1.5mmを維持しながら巾0.45mmの側壁成形順送りプレス化。

せん断
順送りプレス化
設備 60トンクランクプレス
品名 インサートナット
材質 A5052-O
板厚 2.0mm

2006年

これまでプレス加工では不可能であった、穴径が板厚の半分以下になる細穴抜きに挑戦し、板厚6mmに対し穴径1.2mmの細穴抜きに成功した。

せん断
設備 45トンクランクプレス
品名 SPHC
材質 6.0mm
板厚 φ1.2
順送りプレス化
ドリル加工
設備 マシニング 45tプレス
工具代 ¥2,030 ¥1,410
工具寿命 250穴 35000穴
加工時間 18秒 1秒以下

2007年

板厚5.0mmに対して薄い側壁部が巾2.5mmで板厚の50%になる。通常このような打抜きは断面がねじれるが特殊な加工法を開発し、内外径共に75%以上のせん断面を確保。

300トン高剛性プレス
設備 300トン高剛性プレス
品名 ナット・スターター
材質 SPH270C
板厚 5.0mm
順送りプレス化 順送りプレス化

2012年

従来はファインブランキングで生産していたシートリフター用セクターギアを順送りプレス加工に工法転換。従来工法では板厚6mに対し1.5mm以上あった歯先ダレを0.5mm以下に抑え、せん断面長さ90%を確保。

せん断 せん断

当社の順送プレス品

板厚 6.0mm
ダレ 0.5mm
板厚の10%以下

設備 300トンナックルリンクプレス
品名 セクターギア
材質 SCM415
板厚 6.0mm

2014年

細い半島形状の輪郭にマッチングを設けず、ダイ強度を維持したまま一筆書き打抜きが可能。工程数の削減と打抜き精度が向上。

工程数の削減と打抜き精度が向上
設備 110トンプレス
品名 ベース
材質 SECC(放熱塗装材)
板厚 0.8mm

2016年

顧客からの精密せん断加工ニーズは次第に厚い材料へ適用され、板厚7.2mm精密せん断に成功した。小穴を全てプレスで精密に仕上げ面押しすることにより、後工程の旋削時間を大幅に短縮した。

精密せん断 精密せん断
設備 400トンナックルリンクプレス
品名 基材
材質 SPH440C
板厚 7.2mm

2020年

従来はファインブランキングで生産していたシートリフター用セクターギアを順送りプレス加工に工法転換。歯先ダレを0.2mm以下に抑え、せん断面長さ90%以上を確保。

セクターギア
設備 200トンサーボプレス
品名 セクターギア
材質 SAPH440
板厚 3.2mm
モジュール 2
順送りプレス加工

曲げ技術

1999年

Windows 95 の普及と共に超大量生産が始まったフロッピーディスクドライブのローターヨークのプレス量産化に成功。軸径公差や振れ・平面度など5ミクロンの精度が要求されたため、金型部品の寸法精度はサブミクロンで仕上げた。

設備 110トン高速プレス
品名 ローターヨーク
材質 EGC-E20/20
板厚 0.6mm

2009年

板材を切断せずに重ね合わせる技術でキーホルダーの順送りプレス加工に成功。
また、板厚1.6mm対しφ0.5の細穴加工を行っている。

設備 100トン高速プレス
材質 C2680-1/2H
板厚 1.6mm

2017年

BEFORE:クランクプレスではスプリングバックがばらつき、材料が変わると修正工程の調整が必要だった。

AFTER:サーボプレスで曲げ過程での減速と、下死点で0.2秒停止することでスプリングバックのバラツキを押え込むことに成功した。

設備 200トンサーボプレス
品名 バスバー
材質 C1020-H
板厚 3.0mm

絞り技術

1995年

ステンレスの角絞り部品。7工程で16×8×高さ50に絞っている。

設備 110トンプレス
品名 バッテリーケース
材質 SUS304
板厚 0.4mm

2003年

シートリフタークラッチの外輪部品。浸炭焼入れ焼戻し後の内径寸法を±0.02で管理。
1社を除く全ての日系自動車メーカーで採用。2017年に累計生産1億台を記録。

設備 PMX-3000
品名 外輪
材質 SCM415
板厚 2.9mm

2015年

ステンレスの深絞り部品。品質要求上、出来るだけ局部的な変形を避けて均質になる様に工程上の工夫をしている。

設備 150トンサーボプレス
品名 ケース
材質 SUS304
板厚 0.5mm

2020年

シートリフタークラッチのケース。ハイテン材の精密絞り。
金型は24工程あり、長さは2300mm。

設備 PMX-6000
品名 ケース
材質 SPC590
板厚 1.0mm

板鍛造

1995年

現在の日本では広く普及している板鍛造や精密せん断と呼ばれる技術を当社では1990年代から既に順送り金型に織り込み量産していた。

設備 150トンリンクプレス
品名 シフトドラム
材質 SPCE
板厚 3.2mm

2008年

これまでに培ったきた板鍛造技術を応用し、底突のセレーション、ナットの一体成形を順送りプレス加工で実現した。
得意としている細穴加工も順送り金型内で4ヶ所同時加工を行っている。

設備 600トンリンクプレス
材質 SPHC
板厚 6.0mm

2010年

これまで当社はせん断技術による細穴加工を得意としてきたが、新たにせん断技術と板鍛造技術を組合せる事で、よりアスペクト比の高い細穴加工に成功した。
前者は板厚6mmに対しφ1.2であったが、後者は高さ7mmに対しφ1.15を実現。

設備 150トンサーボプレス
品名 ノズル
材質 SPHC
板厚 5.0mm

2011年

カーエアコンクラッチ部品のリベット一体成形を順送りプレスで量産化に成功した。
Φ3.0, 高さ5mmのピンを板鍛造で成形、精密せん断技術を駆使し、板厚4.3mmに 対し巾2mmのスリット抜きや外径せん断面80%以上を実現。

2011年

抜き穴上下面の精密な形状作りこみに成功。
R0.7部と接触するボールで油をシールする必要があるため面粗さはRa0.3以下で管理、ボールをのせた際の高さ公差は±0.01を維持しながら月産100万個以上。

設備 110トンプレス(2個取)
品名 ボールシート
材質 SPHC
板厚 2.0mm

2012年

これまで困難であった表裏両面からの同時加工に成功。
両面からの公差があり、板厚のばらつきに左右される。

設備 200トン高剛性プレス
品名 段付ワッシャー
材質 SPCC
板厚 2.0mm

2018年

バーリング形状であるが自然R不可のため、板鍛造で成形した。

設備 400トンリンクプレス(2個取り)
品名 LINK, VERTICAL
材質 SPH440-OD
板厚 4.0mm

システム開発事例

2015年

プレス連続印字システム

レーザーマーカーを利用した連続印字システム。得られた情報や1個単位の識別番号を製品に直接レーザーマーキングすることで、これまでロット単位、箱単位だったトレーサビリティーが1個単位まで追跡可能。

2016年

スクライブドサークルマーキングシステム

レーザーマーカーを利用したスクライブドサークルデータ作成システム。
これまでは金属インクをスタンプして作成していたスクライブドサークルをレーザーマーカーで描くことにより多工程でも線が消えず、精密な測定が可能になった。

2020年

プレス加工センシングシステム

稼働中の金型をエッジPCで常時監視(センシング)及び処理を行いクラウドへ同時転送。傾向値管理とAiによるパンチ寿命予測システム。

2022年

PRMS SHOT (Press Remote Monitoring System)

ラズベーリーパイを利用したプレス機の稼働監視及び異常発生時のドラレコ機能とロギングシステム。

PRMS OIL (Press Remote Monitoring System)

独自開発したセンサとラズベリーパイを利用したプレス潤滑油の流量管理システム。

※現在試作開発中です。